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新しい公共サービス供給システムをどうつくるか

 フロアA 大阪市職員労働組合の者です。宮本先生の講演をうかがっていまして、なるほどと思いながら聞いていました。これからの新しい公共サービスの供給システムをどうつくるのかというところでぐっと盛り上がってきたところで、時間の関係で終了されましたが、本当は、講演のレジュメにありました、行政側がニーズを決めてかかるようなニーズ決定型では対応できない時代に入っている、行政と民間とのベストミックスというようなことについてもう少しつっこんでお話をうかがいたいと思っていたところ、第U部のパネルディスカッションがまさにそれをテーマにしたお話だったと思っていまして、本当に興味深く聞かせていただいたところです。「現場力」というお話がありましたが、市民の皆さんの取り組みで「現場力」が発揮されて何らかの解決の方向性を具体的に探られているということは、反対にいいますと行政組織は依然として大きなピラミッド型の構造になっていて、具体的に現場で起こっている問題に対して有効に対応できないシステムのままではないのかというようなことを考えながらお話を聞いていました。
 私たち労働組合としましては、最近市民との協働ということがいわれますが、そのことが行政責任の放棄ではないのか、市民への押しつけになっているのではないかなということも考えながら、市民と一緒に語り合うような場を労働組合自身がつくってみようということで、ささやかな取り組みですが、この8月から淀川区の三津屋商店街のなかに空き店舗を1軒借りまして、市民との交流スペースというものをつくりました。家賃などは労働組合が授業料のつもりでださせてもらい、地域のNPOの人たちばかりではなく町会長の皆さんや商店街振興組合の皆さん、地元の小学校区を活動の場所として活動されている子育てサークルの皆さんと一緒に運営に乗り出したところです。そこには本当にいろんな方がこられますし、いろんな問題が持ち込まれます。また、このスペースを明るい場所にしてくれたのは子どもたちで、下校途中に気軽に寄ってくれたりします。
 地域の課題というのは、縦割りの福祉だとか商店街振興やまちおこしであるといった個別課題に分断されるものではなくて、さまざまなものがないまぜになって存在しています。そういう意味では、商店街が活性化することと子どもたちの安全や育ちを支えていくということが一体的に語られる場だなと思っています。反対にそういうところからみますと、大阪市役所というのは非常に巨大でして、面白い話ですが、こういうものをつくりますと、本庁の関係部局の管理職の皆さんものぞきにきてくれます。健康福祉局も経済局も市民局もきてくれたのですが、商店街振興組合の会長さんにいわせれば「お前とこはおかしいな。どの名刺をみても同じ住所や。何で3人もこなあかんの。1人きて、こんなんやったって報告したらすむのとちゃう」ということでありまして、私たちとしても、いつの間にか知らず知らずのうちに市役所の縦割りのシステムのなかで発想していたという反省もしているところです。そういう取り組みともからめていえば、あらためて新しい公共サービスの供給システムということと、市民の自治、市民が直接決めていくということとをどう関連づけて考えていくのが求められているかと思っていまして、そのあたりのところで補足して教えていただくことがありましたら、ご意見をうかがいたいと思います。

現実に対応できていない行政組織

 フロアB 私も大阪市に勤めているのですが、地域ではろうあ者の皆さんのボランティア活動をずっと続けています。ありむらさんが当初2年間と思われて入った釜ヶ崎地区で、あれよあれよという間に30年間も頑張っておられるということが、私はよくわかります。私も、自分の生まれた生野区で手話サークルをはじめ、ありむらさんと同じように30年近く続けています。それは地域にあるニーズに応えるということをすれば当然のことで、そこでは自分が一生涯やろうということでしか解決に近づかない現実があります。しかし、大阪市役所の職員は3、4年で職場がどんどん変わっていきます。こんな制度があるから大阪市には立派な人材も専門家も育ちません。うわべだけの事なかれ主義で、自分がその職場にいるときに問題を起こしたくない。いろんなニーズがでてきても、そのニーズを目の前にした職員がすべて上司や組織の責任にして、そのニーズから逃げている現実がある。地方分権の時代といわれますが、大阪市も組織を再編して、大阪市としてトータルにやるべきものと、それぞれの行政区にもっと分権すべきものとを峻別し、区役所の区長が臨機応変にその場その場で対応できるように、そのために必要な予算も使えるようにすべきではないかと思います。

行政はあまりにも無策すぎないか

 フロアC 私は、部落解放同盟住吉支部に所属し、そこでずっと活動もしてきましたが、青少年会館の問題に関して、たしかにいろんな同和対策に関する不正がありますから、そのことについては何ら弁解する余地はないと思っているのですが、ただ自分たちが要求してきた中身に普遍性をもったものが本当になかったのか。そこに普遍性があるとすれば、当然行政の受けとめ方にも問題はなかったのか。ただたんに白黒をつけるというようなことではなく具体的に何が問題であったのか。それではこれからどうするのかというようなことが問われている気がしています。たとえば矢田地区という大きな非差別部落がありますけれども、そこの青少年会館は非常に大きな役割を果たしていた会館です。しかしこれがいまは完全に閉鎖しているのです。市民にもう1度開かれるようなことを具体的にやっていくというのが行政的な施策だと思うのですが、あの建物だって建てるのに何十億円もかけたわけでしょう。建物を閉鎖したまま朽ち果てるまで待つなんていうのは、それこそ税金の無駄遣いとしかいえないのではないでしょうか。会館の廃止条例をつくる前に、もっと具体的にどう使うべきなのかということが問われるべきだったと思うし、あまりにも無策にすぎるという印象をもっています。解放同盟という組織が非常に閉鎖的な組織でしたから、市民ともっと連帯していくということがあれば、このようなことにはなっていなかったのかもしれませんけれども、風呂の水を流すときに赤子まで一緒に流すというようなことが起こっているのではないかという感じがしています。

外国人労働者に必要な住居確保

 フロアD 東住吉区矢田の特別養護老人ホームで仕事をしています。市民のセーフティネットという場合、市民というのは在日外国人やこれから来日されるニューカマーの人たちが入っているのかどうかということですね。大阪市は国際人権都市といっていますけれど、それをきちっと入れたうえでセーフティネットをどう考えるのかということが必要ではないかと思うわけです。とりわけ住宅政策について、大阪市は住宅を建てることが目標になっていて、住宅に困っている人にきちっと入居してもらうという考えはないですからね。私の知るかぎりでは高齢者むけの市営住宅などが結構空いています。何やかんやと理由づけをして入れていないのですが、外国から日本にきて就労される人に開放するなりシングルマザーで困っている人たちに開放するなりしていかないとダメではないのか。私たちの業界でいうとフィリピンの人がこられますが、その住宅について、受け入れ施設が面倒をみるということになっているのですが、きちんと対応しないとタコ部屋に収容されることになりがちです。外国人労働者の後ろにはエージェントという、フィリピンを出国するときに費用をとり日本にきてもまた費用をとるというシステムがありますので、外国人労働者の基本的な人権について政府なり自治体がきちっと担保するというようなことをしないと、せっかく外国から働きにきても結局日本の社会は何だということで帰ってしまうことになります。最近、当ホームで在日フィリピン人むけのヘルパー2級講習を実施しました。うれしいことに彼女たちは人間扱いをしてもらったということで、そのうちの何人かの方に勤めていただいています。その彼女たちも住宅について何とかなりませんかとはっきりいっています。住宅と保育所ですね。大阪市がもっている社会資源を誰にどのように提供していくのかというようなこともぜひ考えていただきたい。
 福原 たくさんのご質問・ご意見をいただきました。整理をしますと、宮本さんに対して新しい公共サービスの供給システムについて、また住友さんに対しては青少年会館の機能のもつ普遍性などについてのご質問かと思います。さらに大阪市内で就労されている外国人労働者の方々に対するセーフティネットのありようについても質問をいただきました。まず宮本さんからお願いしたいと思います。

 

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